内閣改造後も菅内閣支持率は上昇

 代表選直後に続き、改造内閣発足後の各社の世論調査が出揃ってきた。菅内閣支持率は軒並み上昇している。まず、読売新聞の調査...

読売新聞社は菅改造内閣が発足した17日から18日にかけて、緊急全国世論調査(電話方式)を実施した。内閣支持率は66%で、民主党代表選期間中の3-5日に行った前回調査の59%から、さらに上昇した。菅内閣としては、発足直後調査(6月8-9日実施)の64%を上回り、最高を記録した。不支持率は25%(前回28%)だった。内閣と党役員人事で小沢一郎元代表を起用しないなど、「脱小沢」路線を評価すると答えた人は70%に達し、内閣支持率を押し上げたとみられる。

 読売は代表選後にも調査をしていて、それよりもさらに上昇している。岡田幹事長起用などの党人事を含め、脱小沢が功を奏したということか。
 で、続いて毎日新聞...

毎日新聞は17、18の両日、菅改造内閣の発足を受けた緊急の全国世論調査を実施した。菅内閣の支持率は8月の前回調査(48%)から16ポイント増の64%で、内閣発足直後の6月8、9日に行った調査水準(66%)にほぼ戻った。菅内閣の支持率は民主党が大敗した参院選後の7月24、25日に行った調査で41%まで下落。今月14日の民主党代表選で、菅直人首相が小沢一郎元幹事長を破って再選したことや、内閣改造・党役員人事の評価が高く、「V字回復」となった。

 続けて共同通信...

共同通信社が菅改造内閣発足を受け17日夕から18日にかけて実施した全国緊急電話世論調査で、内閣支持率は64・4%に上った。前回9月9、10両日調査の54・7%から9・7ポイント増え、6月の菅内閣発足当初の61・5%をも上回った。不支持は21・2%。菅直人首相が内閣改造民主党役員人事で小沢一郎元幹事長と距離を置く議員を多く起用したことへの評価は67・1%に上り、「脱小沢」路線の継続を鮮明に打ち出したことが支持率を押し上げた格好だ。

 いずれも菅内閣の支持率は大きく上昇。「脱小沢」がその要因というのが各社の分析。
 小沢一郎氏はいまや「古い政治」の象徴のようになってしまった。自民党時代のイメージが強い上に「政治とカネ」の問題につきまとわれている。もはや小沢氏の政治信条というより(まあ、それもよく分からないところがあるのだが)、自民党的な古い政治のシンボルになってしまったところがある。小沢支持の人たちはメディアに作られたイメージというのかもしれないが、底流には世代交代への渇望という社会的な気分もあるのだろう。
 しかし、改めて考えてみると、かつて小泉首相は、自民党をぶっこわす、言葉を変えれば、田中角栄を源流とする経世会支配の打倒を叫んで、空前の国民的人気を集めた。そして今、菅首相は、経世会出身の最後の大物といえる小沢一郎氏を敵とすることで、国民的支持を拡大する。いずれも敵としたのは「経世会」。経世会は古くて、どこか怪しく傲慢な政治家を象徴させるものになってしまったのだろう。小泉首相菅首相も支持率の管理術は変わらないように見える。
 ただ、ここで問題は、その人気を背景に何をするのか。小泉首相には良くも悪しくも「郵政民営化」などやりたいことがあった。経世会の影響力を排除することが規制緩和になるところもあり、それはそれで結果オーライみたいな部分もあった。一方、菅首相は何をやりたいのか。そこが見えないところが難点かもしれない。
【追記】
 朝日新聞世論調査も出てきた...

内閣改造を受け、朝日新聞社が18、19の両日実施した全国世論調査(電話)によると、菅直人内閣の支持率は59%で、民主党代表選直後の調査(14、15日)の57%とほとんど変わらなかった。不支持率は25%(前回24%)。菅内閣のこれからの仕事ぶりに「期待できる」が51%と、「そうは思わない」34%を上回る一方、景気・雇用対策や社会保障など個別分野では「期待できる」が下回った。

 やはり代表選直後よりも若干上昇している。
【関連ログ】
 代表選後の世論調査に見る菅首相支持率(朝日、日経の調査)
 http://bit.ly/aGAtGZ