伊藤民雄『インターネットで文献検索 2010年版』

インターネットで文献探索 2010年版 (JLA図書館実践シリーズ 7)

インターネットで文献探索 2010年版 (JLA図書館実践シリーズ 7)

 インターネット検索に関するコーナーを見ていて、たまたま見つけたのだが、これは出色の検索ガイド。日本図書館協会が発行する「図書館実践シリーズ」のひとつなのだが、これだけ綿密に網羅された検索に役立つサイト集は初めて見た。よくぞ、これだけ集めて,分類した。労作であり、インターネット検索のレファレンス本として必携の書といっていいだろう。
 まず、筆者による収録の原則は以下のとおり、

 図書館が主に扱う資料である図書、雑誌、新聞、視聴覚資料、およびそれらの中身(記事・論文)に関して、研究・調査・情報検索に有効と思われるサイトとデータベースであることを第一とし、次に「情報検索については無料」であることを収録の大原則とした。

 図書館員向けではあるのだが、図書館の人たちが、何か調べたいと思っている人を助けるための種本といえるわけで、調べたいものがある人ならば、誰にとっても役に立つ。で、その内容を目次で見ると...

I部 文献探索のポイント
 1章 文献探索の前に
II部 やってみよう, 文献探索
 2章 図書を探す その1 書誌・所蔵検索
 3章 図書を探す その2 本の内容から調べる
 4章 新聞と雑誌を探す
 5章 灰色文献を探す
 6章 視聴覚資料を探す

 「灰色文献」とは、非売品の図書・雑誌・報告書・マニュアルの類を言うらしい。具体的には「自費出版」「企業情報」「社史・企業史」「統計・世論情報」「官公庁資料」「食文化・ファッション関係資料」などが、この範疇に入っている。ともあれ、図書館らしく、細かく分類、紹介されているのがうれしい。アラビア語の資料、オランダ語の資料など、一生調べることはないと思うのだが、こんなサイトがあるのかと感心してしまい、見ているだけで楽しい。
 「2010年版」というように改定を重ねており、これは2010年4月時点のものだという。ともあれ労作。で、この本に収録されているサイトは、筆者の伊藤民雄氏が運営しているサイトで紹介されている。そのままリンクを辿れるので、こちらも便利だが、本の一覧性を考えると、本も身近に置いておきたい。
「図書・雑誌探索ページ」サイト
 http://www.rnavi.info/