吉田實男『商家の家訓』

商家の家訓―経営者の熱きこころざし

商家の家訓―経営者の熱きこころざし

 副題に「経営者の熱きこころざし」。家訓本はいろいろとあるが、以下の目次を見ても、わかるように、収集の範囲は広く、原典もていねいに紹介されており、いちばん良くまとまっている本かもしれない。ただ、古い家訓に関する本で、横書きというのはちょっといただけない。古典の紹介でもあるのだから、ここは縦書きで行って欲しかった。ただ、最近はウェブもメールも読むものの大半が横書きの社会なので、読むのがつらいことはない。
 で、内容を目次で紹介すると...

第1章 現在の経営環境
第2章 江戸時代の商人の倫理観
第3章 家訓の誕生
第4章 近江商人の家訓
第5章 全国各地の豪商の家訓
第6章 財閥の家訓
第7章 今も続く老舗百貨店の家訓
第8章 今も続く製造業の家訓
終 章 豪商とは

 参考文献のリストまで含めると628ページもある大著(参考文献のリストがウェブまで紹介されるなど充実している)。ちょっと値段は高いが、それだけの内容が詰まった労作。