尖閣ビデオ流出事件、海上保安官は逮捕せず、在宅捜査

沖縄・尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突のビデオ映像流出事件で、検察当局は15日、神戸海上保安部の海上保安官(43)を逮捕せず、任意捜査を続ける方針を決めた。今後は国家公務員法守秘義務)違反容疑で警視庁捜査1課が在宅のまま捜査を続け、東京地検書類送検する。検察当局は送検後に改めて協議し、刑事処分を決める。

 何だか、世間を気にして中途半端な感じだな。逮捕するのかどうかと、起訴するかどうかは別の問題ともいえるけど、もっと軽い事件でも逮捕しているような気もするけど...。この事件自体がすごく政治的になってきたような...。誰も責任とりたくないから、検察と警察で、どちらの責任で逮捕するか、押し付けあっていたんだろうか。権力は権力らしく、体制は体制らしく、振舞えばいいのに、どこか自信なさげだなあ...。
 で、この事件について、自民党の谷垣総裁のこんな発言が...

自民党谷垣禎一総裁は14日、さいたま市で講演し、中国漁船衝突事件のビデオ映像流出を名乗り出た海上保安官を擁護する声があることについて、「わたしも半分ぐらい気持ちは分かるが、国家の規律を守れないというのは間違っている」と指摘した。(中略)谷垣氏は、旧陸軍の青年将校が反乱を起こした二・二六事件を例に「(国民の一部は)若い純粋な気持ちを大事にしなきゃいかんと言っていたが、最後はコントロールできなくなった」として、保安官の行為を称賛する声に懸念を示した。

 これって個人的には共感してしまうのだけど。「純粋な気持ち」への賞賛ってちょっと怖いような...。やはり結果責任で見ないと。気持ちがわかっても、やはり「半分ぐらい」という理性が働かないと。でも、こうした穏健な発言は受けないのだろうなあ。谷垣さんって大いなる常識人という感じがするが、常識って、どうも世間の受けが悪い。派手さがないから。そうした風潮も怖いことなんだけど。