日経ビジネスが東日本大震災の緊急特集。これはなかなか大変だ

 日経ビジネスが最新号(3月21日号)で東日本大震災の緊急特集を組んでいる。表紙には「3・11 日本最大の試練」とある。これを読むと、社会的にも、経済的にも、事態はかなり深刻であることがわかる。
自転車泥棒 [DVD] FRT-160 社会的には、被災地での略奪の話に触れている。海外に比べれば、まだ規模は小さく、海外のメディアがいっているように平穏といえるのだろうが、それでも今までの災害ではあまり聞かない話だった。電気もガスも水道もなく、すべての物資が不足する中で、店からモノが盗す者が出たりしているらしい。これは日経ビジネスの報道だけでなくて、先日、停電の時にラジオを聞いていたら、東京から東北に応援に行った若い記者が同じような話をしていた。この記者は、避難所でさえ生きるために満足な物資がないだけに、人が店からモノを盗み出す現場に居合わせても、何も言えなかったと苦しそうに話していた。
 一部かもしれないが、政府の手が届かぬ無秩序な世界を生み出しているらしい。日経ビジネスは「取材陣が目にした焦土には、戦後にも似たむき出しの欲望が渦巻いていた」という。そして「3月11日を境にして、日本はこれまでと断絶した社会に突入したのではないか」と。 
サプライチェーンの経営学 (HBRアンソロジーシリーズ) 「ニッポン株式会社、機能停止」と、産業界への影響も大きそう。東北はこのところ、大きな地震がなかった。それだけに、東海地震関東大震災東南海地震など関東以西の大地震に対するリスク回避から東北に生産拠点を分散する動きがあったらしい。そうした工場がダメージを負ったうえ、計画停電によって電力の供給も制限され、建物に被害はなくても、生産活動に支障が出る恐れがあるという。
 企業はいま、従業員の安否確認に追われているが、次はダメージの評価に入るのだろう。東証の適時情報開示では既に、企業の損害状況が開示されているが、いまのところ「人的損害」「物的損害」で、事業や業績への影響は「現在調査中」というところがほとんど。今後、それぞれの企業の経営への影響が明らかになってくるのだろう。いくつか資料を読んでみたら、クリーンルームの復旧に時間がかかると公表しちえる会社もあった。確かにクリーンルームの修復は大変だなあ。株式市場は乱高下を繰り返しているが、個別企業を評価するには、各社のディスクロージャーから当分、目が離せないだろうなあ。
 いまは世界中の企業がサプライチェーンで結ばれている。東日本大震災で、GMの工場の操業が止まり、アップルのiPad2の生産にも支障が出るかもしれない。被災地の復興と共に、日本企業の生態系を復活させることも急務となる。
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