東電管内、夏の電力不足はピーク時で25%分。何でも東京中心の時代からの転換...

東日本大震災や福島第1原子力発電所の事故の影響で、今年夏にかけて首都圏などで最大1500万キロワットの電力が不足する恐れがあることが22日わかった。東京電力は停止中の横須賀発電所(神奈川県横須賀市)などの稼働を検討しているが、猛暑時の最大需要である6000万キロワットの確保は難しい。政府は計画停電の拡大や、事業者ごとに電力使用量の上限を決める総量規制の導入を検討しており、企業は生産計画の見直しなどの対応を迫られる。

 計画停電が続けば、首都圏が死ぬ。総量規制を徹底すれば、計画停電が回避できるのではないかと思ったが、この数字を見ると、愕然とする。総量規制をしても、計画停電は避けられないか。福島の原発を抜きに、東電管内の電力供給を増やすことは難しいだろうし、これからは日本全体で企業、家庭の再配置が始めざるを得なくなるのだろうなあ。東京一極集中と言われて久しいが、その解消がこんな形で訪れるとは、予想もつかなかった。東日本の復興は、分散型国家の創造とセットなのかも。
 まずはリッチな人から東京脱出が始まるのだろうなあ。外資系企業もせめて、関西か、福岡か、札幌あたりにとどまってもらえるといいんだが。ロシア、中国、韓国との関係を考えると、日本海側の都市の重要性も増してくる。いまでさえ、アジア・パシフィックの拠点は、シンガポール、香港、上海に移りつつあるのだから、東京が計画停電を脱しきれなければ、この動きが加速してしまう。
 都心部計画停電の対象外といっても、もはや東京は神奈川、千葉、埼玉を含めた首都圏として機能しているのだから、毎日、そのどこかで停電している状況では、生態系全体が衰えていく。叡智と工夫で、この最悪の数値にはならないだろうが、それでも計画停電を避けられるのかどうか。結構、クリティカルな問題だな。4月は都知事選の季節だが、いま求められているのは、東京の活力を保ちながらダウンサイジングしていける人かもしれない。
 この電力危機を乗り超えるということは、日本がグリーン革命の圧倒的な最先端国家になることでもあるなあ。
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