震災、原発、計画停電で広がる日本経済の先行き不安。OECDは4-6月の成長率が最大1.4ポイント低下するかもと

経済協力開発機構OECD)は5日、日米欧の短期的な経済見通しを発表した。東日本大震災の影響を現時点で織り込むのは不可能として、日本の成長率の予測は見送った。ただ被災地の生産の減少や計画停電などで、実質成長率は1-3月期に0.2-0.6ポイント、4-6月期は0.5-1.4ポイント押し下げられる可能性があるとの見通しを示した。

 東日本大震災、長期化しそうな福島原発問題、そして計画停電と、日本経済の先行き不安が広がっている。昨日、再集計された日銀短観も暗かったし、今日はOECDが日本の成長率がどのくらい下押しされるか、4−6月の見通しを出していた。さすがに年間は読み切れないのだろう。今後、こうした数字が各経済研究所から次々と発表されるのだろうが、産業界のダメージがどのぐらいか、まだ実態が完全に把握されていない感じがする。
 部品・資材メーカーの被災による影響は自動車産業だけ見ても相当なものだし(海外の工場の操業にまで影響を与えている)、震災による直接的なダメージだけでなくて、計画停電も工場の操業や品質管理、さらにシステムによって自動化された物流倉庫や小売店・飲食店の営業などに打撃を与えている。ジャスト・イン・タイムのサプライチェーンで在庫を持たず、究極の効率化を進めてきたものが、いまは裏目に出て、機能障害に陥っている。原発放射能問題も不安心理を醸成し、消費マインドにも悪影響を与えるような気がする。海外からの観光客の足は止まっているし、エコノミストにしたって、この経済的なダメージがどのぐらいか、まだ読みきれないというのが正直なところじゃないか。なるべく厳しい数字を出して目立とうとする、あざといエコノミストも出てくるんだろうなあ。
★4〜6月期成長率、平均でマイナス2.6% 民間予測:日本経済新聞 => http://t.co/ayyjsui
★11年「震災で0・2%成長」12年は復興需要で「2・8%に急増」 仏研究所が試算 - MSN産経ニュース => http://t.co/3dR4QH2
日銀短観:経済下押し、不可避 景況感悪化、生産回復「夏以降」 − 毎日jp(毎日新聞) => http://t.co/sWrGC2V

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