「日本沈没」「復活の日」の小松左京氏が死去

SF作家の草分けで、「日本沈没」など都市文明を風刺した作品や未来学、文明批評、万国博覧会などで幅広く活躍した作家、小松左京(こまつ・さきょう、本名・小松実=こまつ・みのる)さんが26日に大阪府箕面市の病院で肺炎で死去していたことが28日、分かった。80歳。

 SF作家、小松左京氏が死去。ショートショート星新一に対して、小松左京は長編の人だったイメージがある。文明をテーマにした作品が多く、大阪万博などのイベントも作品のひとつだったのかもしれない。小松左京の小説で思い出すものというと、まずは何と言っても、こちら...

日本沈没 上 (小学館文庫 こ 11-1)

日本沈没 上 (小学館文庫 こ 11-1)

日本沈没 下 (小学館文庫 こ 11-2)

日本沈没 下 (小学館文庫 こ 11-2)

 この「日本沈没」の成功があまりにも巨大で、そのあとはかえって作家としての創作エネルギーは落ちてしまった感じがする。「さよならジュピター」「首都消失」など映画になったものもあるし、書いているには書いているのだが、輝くような独創性は色あせてしまったように見える。むしろ文明評論家というかコメンテーターとしての印象が残る。新聞の訃報を読んでいたら、欝になったこともあったらしい。
 で、続いて、映画になった、こんな小説も...
復活の日 (ハルキ文庫)

復活の日 (ハルキ文庫)

 盗まれた細菌兵器が拡散し、人類が滅亡の危機に瀕するという話。スケールも大きいし、先見性のある作品だった。
 変わり種では、こんなのもあった。
エスパイ (ハルキ文庫)

エスパイ (ハルキ文庫)

 エスパーのスパイ。つまり超能力者スパイ。ジェームズ・ボンド・シリーズなどスパイ小説ブームのころ、SFと合体させた、あざといといえば、あざとい小説だったのだが、このあたり、すべて記号化してスマートな関東の星新一に対して、関西の小松左京らしい逞しさだったけど。ウィキペディアの作品リストを見ていると、「日本沈没」へ向かっていく過程の作品群がやはりいいなあ。
ウィキペディアでは => wikipedia:小松左京
★グーグルで検索すると => google:小松左京
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