2011年の映画は2割近い減収。スクリーン数も18年ぶりの減少。11年ぶりに50億円を超えるヒット作なし

日本映画製作者連盟(映連)は26日、2011年の全国映画概況を発表した。興行収入(興収)は過去最高を記録した前年を大きく下回り、邦画と洋画を合わせて17・9%減の約1812億円。スクリーン数も73減り、18年ぶりに減少に転じた。うち東日本大震災の影響を受けたのは40スクリーンだった。(略)邦画の興収1位はスタジオジブリのアニメ「コクリコ坂から」(44億6千万円)で、興収が50億円を超える作品がなかったのは、2000年以来11年ぶり。

 映画界も昨年は大変だったのだ。阪神大震災のときとか、911のときとか、かえって映画館で一緒に映画を見て、束の間の一体感を求める人が増えるという説もあったけど、東日本大震災は物理的にも心理的にもそれ以上のインパクトがあったのだなあ。計画停電もあったし...。映画館に足を運びたいような面白い映画もあまりなかったような気もしたが、シネマコンプレックスの登場以来、増加してきた映画のスクリーン数自体も減ってしまったのか。全国で73スクリーン減り、東日本大震災の影響が40スクリーンということは、それ以外の要因があるということか。少子・高齢化と不況で疲弊する地方の状況が反映されている数字なのだろうか。あるいは、BS、CS、CATVに加えて、ネット配信も本格化してきた影響が出ているのか。
 興行収入50億円を超える大ヒットがないということは、作品の問題もあったかもしれないが、シネコンのスクリーンを大量に確保した上で、絨毯爆撃のようにテレビで大量宣伝して、作品の出来が世間に知れ渡る前に短期決戦で荒稼ぎするという映画ヒットの公式、シネコン商法が壊れ始めているということなのだろうか。テレビを見ていると、各テレビ局が自分が製作に関係している映画の広告やら番宣やらがいまだに盛んだが(俳優さんがバラエティや情報番組に出ているときは大体、映画かテレビドラマの宣伝だけど)、あれだけやっても、あまり効かなくなっているということか。だとしたら、大変だなあ。震災による一時的な問題か、構造的な問題があるのか、どっちなのだろう。
★日本映画産業統計:一般社団法人日本映画製作者連盟 => http://bit.ly/wThHzd