野田政権が内閣改造。これで自民党と消費税増税へまっしぐら?

野田佳彦首相は4日、消費増税関連法案の成立に不可欠な自民党の協力を取り付ける態勢を整えるための内閣改造の全容を固めた。参院で問責決議を受けた前田武志国土交通相田中直紀防衛相を含む5閣僚を交代させ、田中氏の後任には民間から森本敏拓殖大大学院教授(71)を起用。鹿野道彦農林水産相の後任に、民主党郡司彰元農水副大臣(62)を充てる。

 野田内閣が改造。問責決議の2閣僚をはじめ野党から批判出ている農水相や法相も外し、これで自民党と一気呵成に消費税増税に走るのだろうか。自民党の谷垣総裁も増税派だし、野田・谷垣増税連合の結成で、これで消費税の引き上げも決まりということだろうか。霞が関も、原子力村もそのままで…。最後は財務省の思惑通りということなんだろうか。
男子の本懐 (新潮文庫) 野田首相増税への思いは、宗教的信念と言いたくなるぐらい、すごい。ただ、見ていると、何となく浜口雄幸首相を思い出してしまう。文学的には周囲の反対にも屈することなく金解禁を断行した信念と勇気のライオン宰相という評価なんだろうが、経済的にみれば、経済環境を無視して金解禁(旧平価金解禁)を断行し、日本経済を破壊した人ということになる。後講釈の評価ではなく、解禁前から既に高橋亀吉石橋湛山東洋経済を拠点に旧平価による金解禁に反対の論陣を張っていた。浜口とともに金解禁に尽力した日銀総裁井上準之助にしても、日銀の原理原則にとらわれ、実体経済を見なかった人という厳しい批判もある。これもどこか、いまの白川日銀総裁を思わせるものがある。
 ちょうど東証株価指数TOPIX)がバブル崩壊後の安値をつけた日に発表された今回の内閣改造を見ても、見えてくるのは増税への強固な信念だけという感じがする。野田首相・白川総裁を見ていると、浜口首相・井上総裁の姿が見えてくる。信念の人して、後世、小説になるのだろうか。そのときも文学的評価と経済的評価は分かれるのだろうか。野田首相が「男子の本懐」である信念の政策を実現したとして、そのあと、日本はどうなるのだろう。
★郵政・金融担当相に松下氏、防衛相に森本氏、国交相に羽田氏 (ロイター) - Yahoo!ニュース => http://bit.ly/Kvkmfa
東京新聞:東証8200円台、最安値 TOPIX バブル後最安 - TOKYO Web) => http://bit.ly/LrF1Ne

 高橋亀吉は、この本の中で金解禁政策について詳細に書き残している。