オリバー・ベレス、グレッグ・カプラ『デイトレードーーマーケットで勝ち続けるための発想術』
- 作者: オリバーベレス,グレッグカプラ,Oliver Velez,Greg Capra,林康史,藤野隆太
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2002/10/19
- メディア: 単行本
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短期トレードを重視する人たちには、現在のような不安定で流動的な世の中では、長期投資のほうがリスクがあるという発想があるように見える。予想することができない未来に賭けるよりも、分単位であったり(デイトレード)、2日から2週間といった短期で(スイングトレードというらしい)、投資をしたほうがリスクが少ないという発想がある。このあたりは時代観、人生観とも絡んでくるようにも思えてくる。そして連戦連勝という発想はなく(繰り返し強調している)、いかに損失を小さく管理できるか(損切りしていくか)が、利益を生むポイントとしている。
目次で内容を見ると...
第1章 トレーディングの勝者への誘い
熟練したトレーダーの世界を理解する
第2章 優れたトレーダーの精神修行
トレーディング行動を修正する鍵
第3章 「逆境」と「損失」
トレーディングで成功するための必要条件
第4章 真の勝者を目指すトレーディング
失ったマネーと時間を取り戻すために
第5章 トレーディングにおける7つの大罪
いかに戦い、打ち勝つか
第6章 熟練トレーダーへの道
成功をつかむための12の法則
第7章 究極のトレーダーの秘密
すべてのトレーダーが知るべき15の掟
第8章 10の教訓
究極のトレーダーになるために
第9章 究極のトレーダーからの最後の言葉
で、目次をもう少し詳しく紹介すると、第5章の「7つの大罪」とは,,.
第1の大罪ーーすぐに損切りができないこと
第2の大罪ーー利益を勘定すること
第3の大罪ーー時間軸を変更すること
第4の大罪ーーより多く知ろうとすること
第5の大罪ーー過度に自己満足に陥ること
第6の大罪ーー間違った勝ち方をすること
第7の大罪ーー正当化
続けて、第6章の「成功の12の法則」とは...
第1の法則ーー己を知る
第2の法則ーー敵を知る
第3の法則ーー早いうちに何らかの教育を受ける
第4の法則ーー己の最も貴重な資源を守る
第5の法則ーー物事を複雑にしない
第6の法則ーー己の損失から学ぶ
第7の法則ーートレーディング日誌をつける
第8の法則ーー低位株ばかりに注目してはならない
第9の法則ーー分散投資をしてはならない
第10の法則ーー時には何もしないことが最良の行動である
第11の法則ーー厳かに撤退する時期を知る
第12の法則ーー言い訳は一文の得にもならない
マーケットで勝負する人たちは、第9の法則のように分散投資に否定的な人が多いなあ。第10の法則は、株式投資は「売る、買う、休む」というが、その「休む」の大切だな。
第7章の秘密の「15の掟」とは...
第1の秘密ーーウォール街にプレゼントは落ちていない
第2の秘密ーー誰かが自分の反対サイドにいて彼らは友達ではない
第3の秘密ーープロは希望を売り、初心者は希望を買う
第4の秘密ーーホームランは敗者のためにある
第5の秘密ーーチャートを作れば、大衆はそれに従う
第6の秘密ーーすべての主要な株価指数は嘘をつく
第7の秘密ーー寄り付きの後に買いを入れるほうが望ましい
第8の秘密ーー寄り付き前に利食っても報われない
第9の秘密ーー東部時間の11時25分から14時15分は最悪の時間帯
第10の秘密ーー夜明け前が一番暗い
第11の秘密ーーウォール街のカリスマは常に間違っている
第12の秘密ーー決算発表に基づく取引は初心者のすること
第13の秘密ーー買い上がるほうが確率が高い
第14の秘密ーー安値で買って高値で売る手法はデイトレードに向かない
第15の秘密ーー次に何が起こるかを知ることが利益をもたらす
そして、第8章の「10の教訓」...
第1の教訓ーー相場がよくない時には現金が一番
第2の教訓ーー時間の分散がマーケット・リスクを最小化する
第3の教訓ーー買うこととポジションを積み増すことは違う
第4の教訓ーーマーケットの全体にとらわれてはいけない
第5の教訓ーー犬を売り、人形を買う
第6の教訓ーーマーケットの下落局面で実力がわかる
第7の教訓ーー情報誌やアドバイザーを採点せよ
第8の教訓ーー時は金なり
第9の教訓ーー勝者は自らのことを成し遂げ、敗者は流されるまま
第10の教訓ーー「誓い」の力を使う
といった具合。目次を見るだけでも、イメージがつかめるかもしれない。もう10年以上前の本だが、こうしたデイトレード哲学のエッセンスの本だから、かえって古くならず、今でも参考になるのかもしれない。