東日本大震災・大津波、船主さんは「そこのビルの上の船、早くどけて」とか言われるの?

東日本大震災では、津波で多くの船が陸上に打ち上げられたり、沖に流されたりした。打ち上げられたまま動かせない船の撤去は、政府の指針で「個別に所有者と協議」とされる。国土交通省は、撤去費用が船主責任保険の適用対象になり得るとの解釈を示し、所有者と保険会社との交渉をサポートする方針だ。(略)宮城県塩釜港では国道上に5472トンの貨物船があり、岩手県大槌町では109トンの客船がビルの上に載っている。(略)地震津波の発生は船主の責任ではないが、国交省は「私有地や道路に船がある場合、撤去して原状回復する責任が船主に生じる」と解釈。28日、職員2人を東北運輸局に派遣、撤去費用を保険で賄えるよう支援する。

 「船の撤去に保険適用=国交省、柔軟解釈で支援」と見出しだけみると、あたたかい話のように聞こえるが、記事を読むと、イメージが変わる。「私有地や道路に船がある場合、撤去して原状回復する責任が船主に生じる」って、テレビや新聞の写真によく出てくるビルの上に乗った船や道路に打ち上げられた船は、船主さんの責任でどけろ、というわけか。要するに撤去費用を払えと...。で、保険が出るように「サポート」しますって。駄目だった場合は「残念でした。撤去費用はよろしく」となってしまうのだろうか。
 これでも官僚としては現在の最大の善意なのかもしれない。しかし、非常事態なのだから、民主党も政治主導というならば、早期の復旧と被災者救済のために必要な法的措置を洗い出して、すぐに整備していくのが仕事なんじゃないんだろうか、とか思ってしまうような話。官僚に事態を改善するために政治として決める必要があることは何か、と聞けばいいのに。
★LIFEに出ていた、東日本大津波で打ち上げられた船の写真
・ビルの上の観光船 => http://bit.ly/fUkGbK
・打ち上げられた貨物船 => http://bit.ly/eJj63e
・廃墟の街の中の船 => http://bit.ly/hzZpFU
・道路の上のヨット => http://bit.ly/hjodOg
・道路の真中に漁船 => http://bit.ly/hib4tZ
・廃墟の真ん中に漁船が1隻 => http://bit.ly/fsZHEJ

船舶保険クレーム演習

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