NYタイムズのWeb戦略。コンテンツの公開と閉鎖と

ニューヨーク・タイムズ紙は自社のウェブ・アーカイブから多くの利益を得ているわけではない。アーカイブからの収益は、NYTD社の全体の収益のわずか2〜3%にすぎない(同社はニューヨーク・タイムズ・コムのほかに『ボストン・グローブ』紙のウェブサイトを運営し、自社の電子データベースのリース契約も行なっている)。実のところ、NYTD社の売上の大部分は、データベース・サービスの米レクシスネクシス・グループ社と以前に結んだ契約によるもので、ここから毎年2000万ドルを超える額を得ている。NYTD社は今年の利益を約2500万ドルと見込んでいる。

 ニューヨーク・タイムズは、コンテンツの公開については会員制をとっているので、完全オープンではない。そのため、Googleなどの検索エンジンに引っ掛からない。会員制で情報を閉鎖する背景には、データベース事業で利益をあげていることがある。ここで利益が出せるのも、Googleに引っ掛からなくても構わないというのもニューヨーク・タイムズのブランドと取材力があっての話。しかし、これがいつまで続くのか。Webは難しい。