小林桂樹が死去。心に残るは「椿三十郎」

映画、テレビで幅広く活躍した俳優の小林桂樹(けいじゅ)さんが16日午後4時25分、心不全のため東京都港区の病院で死去した。86歳。葬儀・告別式は近親者のみで済ませた。後日、お別れの会を開く予定。大正12年、群馬県生まれ。昭和17年にデビューし、東宝の「三等重役」や森繁久彌主演の「社長」シリーズなど、サラリーマンものに多く出演し、人気を得た。代表作に「裸の大将」「江分利満氏の優雅な生活」「名もなく貧しく美しく」など。

 小林桂樹が死去。コメディからシリアスな作品まで幅広く、かつ数多くの映画,テレビに出た役者さん。昔の映画は名前だけで実際にはあまり見ていなかったりするのだが、この記事に出てくる映画のほかにも「日本沈没」の博士とか、「マルサの女」の査察部の課長さんとか、いろいろな役を演じていた。
 もっとも個人的に一番,印象に残っているのは「椿三十郎」に出てくる捕虜になった敵方の侍。生け捕りにされ、タンスに閉じ込められるのだが、ときどき出てきては、若侍たちに意見をして、またタンスに戻っていく。このトボけた味が何ともいえなかった。この当時は既に小林桂樹は主役級の役者さんだったと思うのだが、黒沢明の映画だと、こんなチョイ役ででも出るのかと感心するとともに、小林桂樹が嬉々として演じているところに、さらに感心した。しかも、これが映画に緩急をつける大事なアクセントになっている。誰にでもできそうで、誰にもできない味を出していた。
 というわけで、重厚な演技を見せた役者さんだが、小林桂樹の訃報を聞いて、まず思い出したのは「椿三十郎」の力を抜いた軽妙な演技だった。
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