史上最悪の原発事故のチェルノブイリ、立ち入り制限解除で観光解禁へ。新たな「負の世界遺産」?
ウクライナは史上最悪の原発事故を起こしたチェルノブイリ原子力発電所周辺の立ち入り制限を解除し、2011年に観光地として正式に開放する方針を明らかにした。チェルノブイリ原発は1986年に爆発・炎上事故を起こして作業員や消防士32人が死亡。国際原子力機関(IAEA)の推計によれば、放射性物質を浴びたことによるがんなどの死者は約4000人に上るとみられる。ウクライナ政府は周辺の半径30キロ以内を立ち入り禁止区域に指定して一般の立ち入りを制限していたが、この制限の撤廃計画を12月21日に発表する。バロガ非常事態相が明らかにした。(中略)観光する場合は、万が一被曝した場合に備えてその場に捨てていける着衣を身に着けた方がよいとマイシオ氏は助言する。ただし、放射性物質の大半は地面に吸収され、観光客が浴びる放射線の量は、大西洋を横断する便に乗った場合と同程度だという。
チェルノブイリ原発はロシアではなくて、ウクライナだったのか。しかし、「観光客が浴びる放射線の量は、大西洋を横断する便に乗った場合と同程度」といわれても不安は不安だなあ。チェルノブイリの悲劇は人類に対する教訓で、その意味で「世界遺産」かもしれない。チェルノブイリというと、廃墟というイメージがあるが、この記事によると...
「チェルノブイリの森 事故後20年の自然誌」の著書があるメアリー・マイシオ氏によると、一帯のバックグラウンド放射線は現在でも通常値を大幅に上回る。しかし、立ち入り禁止区域内は野生生物が戻り、ゴーストタウンと化したプリピャチの町でも樹木が再生しているという。
人間が生み出した科学の悲劇的な破壊力と自然の再生力のたくましさの記念碑なのだろうか。アウシュビッツや広島の原爆ドームと並んで「負の世界遺産」に選ばれても、おかしくない。しかし、それでも何となく「観光」という言葉には違和感があるなあ。観光ツアーというより、鎮魂ツアー、反省ツアーという感じだろうか。
★ウィキペディアで「負の世界遺産」をみると => http://bit.ly/b8QDWx