箱根駅伝のテレビCMからビールの泡が消えた...

 箱根駅伝のテレビ中継といえば、サッポロビールのCMが売り物だったのだが、今年のCMではビールが全く登場しなかった。で、以下の話を思い出した。

ビール酒造組合(加盟5社)は酒類のテレビ広告について、自主的に自粛時間を延長することにした。これまでは平日が午前5時から18時、土日祝は午前5時から12時が自粛時間だったが、土日祝も平日同様18時までテレビ広告を行わない。実施は2010年秋以降から。(中略)「自主基準」の「テレビ広告を行わない時間帯」についての文言を、「土曜日、日曜日、祝祭日、国民の休日、振替休日、1月2-3日=5時00分-12時00分まで。月曜日-金曜日=5時00分-18時00分まで」から「年間を通し、5時00分-18時00分まで、酒類のテレビ広告を自粛する」に延長する。

 そうか。既に、この自主基準が実施されているのか。正月でも例外ではない。だから、妻夫木君は登場しても、ビールをグラスに注ぐことはできないわけだ。で、飲酒に関する連絡協議会の自主基準をみると、こんな具合。

 テレビ広告を行なわない時間帯
 5時00分から18時00分まで
 ただし、企業広告(企業の経営理念、社会貢献への取り組み等をアピールし、当該企業に対するイメージ向上を目的とする広告をいう。)及びマナー広告(飲酒に関する注意喚起(未成年者飲 酒、飲酒運転、妊産婦の飲酒、容器リサイクル、適正飲酒等)、その他公共福祉全般に関する啓 発を目的とする広告をいう。)は除く。なお、酒類の商品の表示、飲酒シーン(注ぐ・嗅ぐ等の 描写を含む。)は、禁止とする。*1

 企業広告はいいわけか。飲酒シーンは規制されていて、ビールを入れたグラスもダメなのだ。厳しい制約のなかでの広告だったわけだ。サッポロビールも広告づくりに苦心惨憺したんだろうなあ。しかし、そうした事情にもかかわらず、箱根駅伝のスポンサーを降りなかったのは立派といえば立派だなあ。箱根駅伝でのサッポロビールのテレビCMには斬新なものも多かっただけに残念でもある。こうして社会的規制が強まる中で、正月の風物詩がまた、ひとつ消えていく。
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*1:酒類の広告・宣伝及び酒類容器の表示に関する自主基準(改正) 」=> http://www.brewers.or.jp/workshop/self-pdf/Self-Regulatory_jap.pdf