米国債務上限引き上げ案、下院が可決。議場には銃撃事件に遭ったギフォーズ議員の姿も

米下院本会議は1日夜、政府の法定債務上限を最低2兆1000億ドル引き上げる法案を賛成多数で可決した。2日にも行われる上院での採決、大統領署名を経て成立の運びとなる。米国のデフォルト(債務不履行)危機は、ぎりぎりで回避できる見通しとなった。

 米国の債務上限引き上げ案、議決するまで、どうなるか、わからないと不安視されていた下院を通過。このあと、上院の議決が残っているが、上院は民主党が多数派でもあるだけに、これで、成立したのも同然となる。下院の議場には、この1月に地元アリゾナで銃撃され、頭に重傷を負ったギフォーズ議員が姿を見せ、拍手で迎えられていた。事件から8ヶ月近く、驚異的な回復。テレビ映像で見る限り、議員たちと普通に挨拶していた。
 しかし、最近の下院にとって明るい話題はギフォーズ議員の復帰ぐらいで、今回はすっかりティーパーティ・グループに振り回された。ショックなのは、米国でも、ティーパーティ・グループは自分たちの主張のためならば、国をも人質に取ることを厭わないこと。一種の政治的テロリストのようなもの。この超保守派の偏狭な正義感は怖い。マッカーシズムのあった国だから、こうした人たちに振り回される素質はあるのだろうけど、何とも嫌な感じ。
 米国でも議会で民主主義や公正さを貫くことが難しいことは、ジェームズ・スチュワート主演、フランク・キャプラ監督の「スミス都へ行く」でも、おなじみの世界なのかもしれない。ただ、ティーパーティの人たちは、自分が「スミス」と思っているのだろうか。となると、さらにタチが悪い。あれも、スミス氏が正義のためにとった手段は議事妨害だった。そういうところだけ真似しても...。
★米下院が債務上限法案可決 超党派支持で2日成立へ - 47NEWS => http://bit.ly/qZ8lcY
【やぶしらず通信・関連ログ】
・アリゾナの民主党下院議員の集会で銃乱射事件。犯人はMySpaceYouTubeを使っていた(2011年1月9日) => http://bit.ly/n9EDWn

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