エジプト、ムバラク大統領はカイロを離れる
エジプトのムバラク大統領は11日、首都カイロを離れ、東部の保養地シャルムエルシェイクに空路到着した。英BBC放送などが報じた。大統領はこれに先立つ10日夜の演説で、スレイマン副大統領への権限移譲を発表したが、反政府デモの市民らが求める即時辞任は表明しなかった。事実上、象徴的な立場となった可能性がある。
ムバラク大統領はカイロを離れる。デモの沈静化を狙ったのだろう。「象徴的な立場」って何だろう。圧制、拷問の象徴? スレイマン副大統領も情報機関の長として弾圧の当事者だったわけだし、CIAだったとか*1、いろいろウワサもある中で、これで収束するのかどうかはわからない。傀儡と思われているだろうし...。
で、このムバラクがカイロを離れたというニュース、ABCのクリスティアン・アマンプール記者がいち早くツイッターで速報していた。
Senior egyptian official tells me Mubarak has left Cairo. Remains in Egypt as figurehead Prez. He left last night after speech to nation
これが流れたのが日本時間の22時前。ムバラクがいつ出発したかは昨晩か今日かわからないが、カイロを離れ、エジプト国内にとどまっていることは、そのとおり。ムバラク大統領との単独インタビューといい、情報が錯綜する中で、アマンプール記者のレポートは信用できそう。
【やぶしらず通信・関連ログ】
・クリスティアン・アマンプール Christiane Amanpour => http://t.co/ozNMksr
*1:Suleiman: The CIA's man in Cairo - Opinion - Al Jazeera English => http://t.co/55Vjsrs
エジプト、事態はさらに進展。ムバラク大統領が辞任。軍が全権掌握
29年間にわたりエジプトを統治してきたムバラク大統領が11日、辞任した。スレイマン副大統領は同日、国営テレビを通じて「ムバラク大統領は辞任を決断した」と話し、権力を軍が掌握すると宣言した。チュニジア政変に触発されてエジプトでは1月25日から連日抗議デモが続いていた。9月の大統領選挙への不出馬を表明していたが即時辞任要求は収まらず、任期半ばの退任を余儀なくされた。米国政府は歓迎する意向だ。
ついにムバラク大統領が辞任。軍も親ムバラク、反ムバラクに分裂しているという情報も流れていたし、これ以上、混乱が続けば、軍自体が崩壊してしまうと思ったのかもしれない。最後の最後で、軍は国民の側に立った。スレイマン副大統領も権力を手放すらしい。その裏側で、どのようなドラマがあったかは、これから徐々に明らかにされていくのだろう。ここからは新しいエジプトの体制づくりへ産みの苦しみが始まるのだろう。しかし、今度は希望のある苦難かもしれない。少なくとも市民による非暴力革命を実現したことで、エジプトは世界史に名を残し、国民としてのプライドを取り戻せたわけだ。
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エジプト、ムバラク大統領は辞任せず。軍が退任を求めたという報道もあったが...
民衆による激しい退陣要求デモに直面するエジプトのムバラク大統領(82)は10日午後10時半(日本時間11日午前5時半)過ぎに国営テレビを通じて演説し、憲法に基づいて権限をスレイマン副大統領に委譲すると述べた。一方で平和的な政権移行の重要性を強調し、デモ参加者が求めていた9月の任期前の辞任については表明しなかった。
昨晩1時頃に寝たときは、軍が大統領と会談、辞任を発表するのではないかという情報が流れ、タハリール広場に集まった市民に期待感が高まっていた。アルジャジーラのウェブライブで見ていても、広場は埋め尽くされ、熱気が感じられた。それが起きてみれば、大統領が発表したのは副大統領への権限委譲で、自分は職にとどまるという。これだけ期待を高めては、失望も深くなる。休息日の金曜である11日はデモに最大規模の動員がかかるときだが、これからどうなるのだろう。
見ていると、ムバラク大統領は反政府派を挑発しているように見える。一部でも暴徒に走れば、それを理由に武力で鎮圧するということを考えているんじゃないか。先日の大統領派による反政府派攻撃もそのひとつに思える。その後は軍が両者を分離して安定を保っていると言うが、本当は挑発、暴徒化、鎮圧という独裁政権としてはわかりやすいシナリオを持っているようにみえる。統治の技術としては、反体制派は「政治犯」ではなく「刑事犯」にしてしまうことが肝要だから。カール・シュミットの『パルチザンの理論』にも、そんな話が出てくる。
いまのところ、エジプトでは軍がそれを抑止しているともいえるわけで、結局のところ、軍がどう動くかがキーポイントなのだろう。軍にしても、これだけの国民運動になってしまうと、その鎮圧のために軍が末端にいたるまで命令に従うのかどうかはわからない。軍としては軍の秩序を守ることが最優先になるのだろう。そんなこんな、ムバラク政権側も、それぞれの人たちが自分たちの将来も含めて、いろいろな思惑が交錯しているのだろう。
ということで、ムバラク大統領側は、持久戦に持ち込んで反政府が疲弊し、エネルギーを弱まったところを待って抑え込むか、挑発して暴発させ、一気に武力鎮圧するか、考えているようにみえる。一方、反政府派もそれがわかっているから、挑発に乗らずに、秩序を保っている。ただ、持久戦にどこまで耐えられるかはわからない。そうした中で迎えた11日の金曜日。日本の建国記念日に当たる2月11日が、エジプトにとって歴史的な日になるのだろうか。
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世界のサッカークラブ。ビッグ5はすべて日本語サイトを持っている。レアルもバルサも
国際的な監査法人デロイトは世界のサッカークラブの2009−10年シーズンの収入ランキングを発表し、スペイン1部リーグのレアル・マドリードが4億3860万ユーロ(約496億円)で6季連続でトップになった。AP通信が10日、報じた。上位6クラブに変動はなく、3億9810万ユーロ(約450億円)のバルセロナ(スペイン)が2位。マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、アーセナル(イングランド)、チェルシー(イングランド)と続いた。
サッカークラブの長者番付。これを見ていて気がついたのは、上位チームは公式日本語サイトを持っていること。プレイするのは自国のリーグでも、マーケティングはグローバルに展開している。そうなると、自らのメディアであるウェブサイトも自国語だけでなく、市場性のある国々の言語に対応することになる。当然、そのなかに日本語も入ってくるというわけ。
まず、トップのレアル・マドリードの日本語サイトはこんな具合。
http://www.realmadrid.jp/
対応言語はスペイン語のほか、英語、アラビア語となる。日本語は公式モバイルサイトもある。
続いて、2位のバルセロナの日本語サイト
http://www.fcbarcelona.jp/
バルセロナはバルセロナらしく、トップに来る言語はカタロニア語。で、スペイン語、英語、中国語、アラビア語が並ぶ。バルセロナは「スペインのバルセロナ」ではなく「カタロニアのバルセロナ」なのだ。
3位のマンチェスター・ユナイテッドも日本語サイトがある。
http://www.manutd.jp/
英語のほか、スペイン語、アラビア語、中国語に加え韓国語がある。パク・チソンがいるからね。当然でしょ。
4位のバイエルン・ミュンヘンはどうかなあ、と思ったら、やはり日本語サイトがあった。
http://www.fcbayern.t-com.de/jp/
ドイツ語から始まり、英語、中国語、スペイン語。ブンデスリーガは世界展開にあまり熱心じゃないかと思ったら、ビッグクラブはやはり違う。
そして、日本とも馴染みのあるベンゲル監督のアーセナルの日本語サイト。
https://jp-arsenal.com/index.html
アーセナルは英語だが、本拠地の英国サイトだけでなく米国サイトも持つ。アジアだけで中国語、韓国語、日本語に対応。さらにタイにもサイトがある様子。アクセスする地域に関連する言語を表示する仕組みになっているようで、他の言語への対応状況はわからなかった。かなり極め細かいサイトづくり。
で、6位のチェルシーは英語、米語のほかは、ロシア語、イタリア語で欧州シフト。アラビア語やアジア系の言語はなかった。このあたりでトップ5との差が出てくるのだろうか。
ということで、世界のビッグクラブは日本マーケットへの対応策をしっかりしている。巨大マーケットである中国への目配りも忘れていない。レアルも早晩つくってくるだろう。こうした多言語対応は金満クラブだからできることかもしれないし、そこまでやっているから世界トップクラスの金満クラブになれたのかもしれない。インテル・ミラノや、ドルトムントをはじめ日本人選手を擁するブンデスリーガのクラブも早く日本語サイトをつくってほしいなあ。
欧州サッカークラブ最強「事情通」読本―中堅クラブの歴史からメガクラブの細部まで
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朝鮮半島に3月危機説。中央日報によると、韓国軍の間で、そんな話が...
軍内部で「3月危機説」が出てきている。 軍情報関係者は「北朝鮮が後継体制確立過程で昨年から続けている挑発パターンに注目している」とし「2月末-3月初めの韓米連合訓練キーリゾルブ(Key Resolve)演習の前後に北朝鮮が挑発してくる可能性が高い」と述べた。
北朝鮮の動きが天安艦爆沈事件の前と似ているというのだが...。朝鮮半島情勢は落ち着いてきたのかと思ったら、金日成生誕100年、金正日生誕70年、「強盛大国の大門を開く」という2012年まで不安定な状態が続くのだろうか。
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『フラット化した世界』のトーマス・フリードマンはエジプト・タハリール広場に乗り込んでいた
ジャーナリストは現場で取材してこそジャーナリスト。その意味で、『フラット化した世界』『グリーン革命』のトーマス・フリードマンはやはりジャーナリストだなあ。タハリール広場に自ら乗り込み、自分の目で確かめ、その場で若者と話し、レポートを送っていた。以下のストーリーはエジプトの人々の心情を描いて感動的だ。
・Out of Touch, Out of Time - NYTimes.com => http://t.co/yXwBsrZ
いくつものベストセラーを出し、もうジャーナリストとして大御所といってもいい存在なのに、動乱の地に自ら飛び込んでいっていたのだ。上の記事のほかにも、2月に入ってから、こんなにニューヨーク・タイムズに記事を送っている。
・B.E., Before Egypt. A.E., After Egypt. => http://t.co/gRxdlMd
・China, Twitter and 20-Year-Olds vs. the Pyramids => http://t.co/33FTBS8
・Speakers’ Corner on the Nile => http://t.co/lqt5HhC
・Up With Egypt => http://t.co/OxN2JUP
ノンフィクション作家ではなく、本当に今と生きるジャーナリストだったのだな。考えて見れば、フリードマンは中東特派員で、出世作は『ベイルートからエルサレムへ』だった。