リビア混迷。カダフィは徹底抗戦。石油価格は高騰

反体制派の蜂起による混乱が深まるリビアで21日、軍の一部将校が兵士に「市民への合流」を呼び掛けた。最高指導者カダフィ大佐は国営テレビで市民と対話の用意があると言明。政権延命を探る構えを示して退陣論を否定したが、体制の深刻な動揺を隠せない状況となってきた。戦闘機などによる市民への攻撃など政権側の武力弾圧継続を伝える情報が流れ、中東全域の混迷懸念から原油は急騰し始めた。

 命運尽きたヒトラーが最期にドイツ全土を焦土にしようとしたように、カダフィも政権の座を降りるときには、リビアという国そのものを破壊し尽くそうとするのだろうか。CNNやBBCが伝えているところによると、東欧やアフリカから集めた傭兵に自国民を殺戮させているというから、尋常ではない。もともと尋常な人ではなかったが、米国に対してだけではなく、自国民に対しても大量テロを命じて恥じない人なのか。
 ヒトラーと同じような性格だとすると、カダフィ王朝が最期だと思えば、石油施設の破壊命令を出しても不思議ではない。ヒトラーのドイツ焦土作戦にはシュペーアや軍が抵抗し、パリの爆破はコルティッツ将軍が無視するわけだが、リビアの場合は、どうなのだろう。既に国民に対する攻撃を拒否して、亡命する空軍パイロットも出ているようだし、辞任する大使も相次いでいる。国家として既に崩壊しかかっているようにみえる。怖いなあ。
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