許されざる者

許されざる者 [DVD]

許されざる者 [DVD]

 クリント・イーストウッドの最高傑作。先月、今月とアカデミー賞月間らしく、NHK-BShiで放映していた。この映画は、作品賞、監督賞、助演男優賞ジーン・ハックマン)、編集賞をとっている。ノミネートは脚本、主演男優、撮影、美術、音楽で、すべてとってもおかしくない映画だと思うが、脚本は「クライング・ゲーム」のニール・ジョーダン、主演は「セント・オブ・ウーマン」のアル・パチーノ、撮影は「リバー・ランズ・スルー・イット」、美術は「ハワーズ・エンド」、音楽は「アラジン」に持っていかれてしまう。この年は相手も強かったなあ。
 映画は人間のやさしさ、冷酷さ、善も悪もすべて飲み込む。善玉も悪玉もない。ただ人間がいる西部劇。カメラが美しく、クリント・イーストウッドジーン・ハックマンモーガン・フリーマンリチャード・ハリスと役者も揃っている。イーストウッドは不思議な人で、自分が主演してきた映画は、痛快アクション映画なのに、自分が監督する映画は、どちからというと暗く、ありのままに人間を見つめる。ラストに「ドンとセルジオに捧げる」という字幕が出てくる。ドンは「ダーティ・ハリー」のドン・シーゲル監督、セルジオは「荒野の用心棒」のセルジオ・レオーネ監督。このふたりがイーストウッドの映画の師であることが改めてわかる。
許されざる者 [DVD] で、「許されざる者」には同タイトルの映画がもう1本あって、そちらは、バート・ランカスターオードリー・ヘップバーン主演、ジョン・ヒューストン監督の1960年の作品。1992年のイーストウッドの映画はリメイクではなくて、全く違うストーリーの別の映画。原題で見ると、ヒューストンのほうが「The Unforgiven」で、イーストウッドは「Unforgiven」。「The」が付くか付かないか。日本語に訳すと、同じ「許されざる者」となってしまう。
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