米ロ首脳会談。トランプはアメリカの情報機関よりもプーチンの側に立って西側世界は騒然。ジョン・ル・カレ的世界?

 フィンランドヘルシンキで開かれたトランプ、プーチンの米ロ首脳会談。共同記者会見が終わって、アメリカの同盟国である英BBCは...

www.bbc.com

 FBIをはじめ米国の情報機関が追及しているロシアの米大統領選介入疑惑について、介入を全面否定するプーチンの味方のようなトランプの発言。トランプ、お前はどっちの味方だ、という感じ。通訳を入れただけのトランプ、プーチンの会談(密談?)も不安を呼ぶ。自分の国の情報機関よりロシアの立場を取る大統領に当然、アメリカ国内は騒然...

jp.reuters.com 

 与党共和党を含めてトランプ批判の嵐。異常事態だなあ。記者会見では、「ロシアはトランプ大統領の不都合な事実を握っているのか」という質問まで出たくらい。プーチンは笑って否定していたが、そうでも考えなきゃ、トランプの発言を理解できない。KGBの影響下にあるのではないかと疑ってしまう。

 今回の会見を見て、アメリカの情報機関はトランプに情報をあげられるのだろうか。ロシアに筒抜けになってしまうかもしれないという恐怖を抱えて、すべてを話せるのか。ロシア国内の情報源を守れるのか。それは同盟国も同じだろう。かつてCIAが、ソ連側に情報が漏れているのではないかと英国の情報部を信用しない時期があったように、今度はアメリカの情報機関が信用されなくなるのだろうか。

 ジョン・ル・カレの傑作スパイ小説をもじっていえば、「ティンカー、テイラー、デベロッパー、スパイ」的状況だろうか。

ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫NV)

ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫NV)

 

 この小説、冷戦下、英国情報部の中枢に潜り込んだソ連の二重スパイをあぶり出す物語。容疑者にティンカー(鍛冶屋)、テイラー(仕立て屋)、ソルジャー(兵隊)というコード名をつける。これに習えば、トランプはデベロッパー(不動産開発業者)という名付けるのかな。ちなみに、この小説、映画化されたときは、このタイトル。

裏切りのサーカス コレクターズ・エディション [Blu-ray]

裏切りのサーカス コレクターズ・エディション [Blu-ray]

 

 アメリカはジョン・ル・カレ的な状況に突入したのかもしれない。秋には中間選挙だし、アメリカはどう動いていくのだろう。