エジプトで今、何が起きているか? それを知るにはフィフィさんのブログを読むのが一番

 エジプトの人々の心情と、なぜ、いま、エジプトが今回の事態になっているか―ーそれを知るには、新聞やテレビの「すぐわかる解説」的なものよりも、タレントのフィフィさんのブログを読むほうがよくわかる。
 エジプトの夜明け〜新たな一頁へ(フィフィ オフィシャルブログ「All about FIFI」) => http://t.co/AFQsYMR
 長文だが、フィフィさんのエジプトに対する愛情とともに、エジプトの人たちがこれまで、どんな気持ちでいたのかがわかる。今回の市民運動は、独裁政権だからではなく、親米独裁政権に対するものだと、はっきり書かれている。これを読むと、ムバラク政権は続かないと思えてくる。これ以上、親米・親イスラエルを望むのも無理があるのかもしれない。市民には利益がなかったわけだから。米国をはじめとした欧米勢偏重は、国民としての誇りを傷つけてもいたようだ。もし強権で今回のデモを抑えつけても、長続きはしないだろう。
 ムスリム同胞団についても、エジプトの人たちの見方は、イスラム原理主義のテロ組織の温床という米国政府や米国メディアの捉え方とも違う。もっと生活に近い共同体としてみている。こうした心情をわかって今回の騒乱を見るのか、知らないで見るのかで、ムバラク政権、あるいはムバラク後のエジプトに対する印象も変わってくる。米国との距離感にかかわらず、エジプトの再建を支援していく必要があるのだな。欧州は、そうしたことには長けているから、やりそうだけど。
 このブログを読んでいても、これからはソーシャルメディアの時代かもしれないという思いが強まってくる。凡百の解説記事よりも、よほどエジプト問題が頭と心に入ってくる。一方で、フィフィさんのブログもひとつの視点のわけで、メディアもプロとして、より深く取材し、歴史や文化について勉強することが必要なんだろう。外務省のレクチャーや米国メディアだけを参考にしているだけじゃ、見えるものも見えてこない。これはジャーナリズムだけじゃなくて、アカデミズムも同じ問題を抱えているのかもしれない。テレビ、新聞で解説するのは学者さんなわけだから。
ブログ誕生 ―総表現社会を切り拓いてきた人々とメディア