村上春樹『国境の南、太陽の西』

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

 『ノルウェイの森』と『ねじまき鳥クロニクル』の間に書かれた作品。1992年の出版だが、崩壊を目前にしたバブルの時代の雰囲気が漂う作品。幸福の中で崩壊を予感するというスコット・フィッツジェラルドを思わせる作品。性描写はけっこう際どいのに、純愛モノ的な清潔感があるのが村上作品の不思議なところ。