日銀総裁が空席。白川副総裁が総裁代行に

参院は19日午後の本会議で、政府が再提示した日銀正副総裁人事案を採決し、福井俊彦総裁の後任に元大蔵事務次官の田波耕治・国際協力銀行総裁(68)を充てる案を民主党などの反対で否決した。福井氏の任期は19日で切れ、戦後初めて日銀総裁が空席となる事態に陥った。福井氏は同日、副総裁に就任する白川方明(まさあき)・京大教授(58)を総裁代行に指名した。政府は日銀総裁について別の人事案を提示する方針だが民主党との接点を探る作業は難航が予想され、決着は4月にずれ込む公算が大きくなっている。

 日銀総裁人事、田波総裁案が参議院で否決され、ついに日銀総裁が空席に。日銀史上初めてかと思ったら、戦後初めて。昔はどうだったのかと思ったら、そもそも初代総裁の吉原重俊が1887年(明治20年)12月19日に病死・退任。2代目の富田鐵之助が就任したのが翌1888年明治21年)2月21日。2カ月の空席があった。このほかにも戦前には任期途中での病死や大臣就任などがある。でも、戦前と今とでは、影響力が違うからなあ、と思うものの、インターネットで海外のメディアを見ても、あまり大きく取り上げていない。米国の証券大手決算やFRBの利下げのほうが要注目で、日本は無視かしら。呆れ果てているのか。
 で、福井総裁の最後の会見は、こんな具合。

日本銀行福井俊彦総裁は任期が満了した19日、退任の記者会見を行い、次期総裁が空席となっていることについて「後任が決まらないのは歴史的にも異例で残念だ」と述べた。民主党などが財政と金融の分離を理由に武藤敏郎副総裁の昇格案や、田波耕治・国際協力銀行総裁の総裁就任案に反対したことには「通貨価値を安定させるという決意や市場を大切にする心などがあれば、出自は関係ない」と批判した。

【参考】
・歴代日銀総裁一覧
 http://www.boj.or.jp/type/list/rekidai/governor.htm